心臓血管外科医
後藤 新之介
-専門分野-
心臓・大血管手術
-専門医等-
心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医/修練指導者
日本外科学会外科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本脈管学会脈管専門医
興味のきっかけはドラマ
人生において仕事に費やす時間の割合は大きいので、仕事がつまらないと人生がつまらない、自分が心から好きだと思える仕事ができれば幸せな人生につながると思っていました。医師というと開業医のイメージがあり、正直言うとあまり医師の仕事には興味を持っていなかったのですが、高校生の時にERというドラマを見て、適切な判断に基づく治療介入により患者さんを救うことのできる外科医師の仕事は面白そうだな、と感じて医学部に進学しました。外科系の診療科の中でも、術者の技量がダイレクトに結果に反映される心臓血管外科に魅力を感じて、この道を選びました。
医療観に影響する
ニュージーランドでの経験
大学6年生の時、ニュージーランドのAuckland City Hospitalで約2ヶ月院外実習を経験しました。日本では心臓の手術は長時間に及ぶことが常識で、心臓外科医は苦しさに耐えることが美学の様な風潮があると思っていましたが、ニュージーランドでは外科医、麻酔医、ICU医、看護師、その他スタッフが、それぞれのプロフェッショナルとして誇りを持ちながらも楽しく仕事を行い、その結果最良の手術を提供していました。その背景には、高度な技術を持ち、手術方針を高いレベルで理解しチーム内で共有されている事実がありました。この経験から心臓外科診療とは外科医の技術は当然ですが、それと同等に高いレベルでのチーム力が必要であることを認識しました。
患者さんに幸せな時間を
過ごしていただくために
良い手術をして患者さんに元気になって帰ってもらうのが大きな目標ではありますが、患者さんやご家族が幸せな時間を過ごしていただくことが究極的な目標です。その一手段として手術があります。手術ありきではなく、手術を行うことのメリット・デメリット、逆に手術を行わないことのメリット・デメリットをご説明し、患者さん・ご家族が納得できる治療を選択していただけるよう努めています。手術を選択された際には、最善の治療を提供できるチームを構築していますので安心してご相談いただければと思います。
米盛病院でチームとともに成長を
米盛病院の心臓血管外科は活気のあるスタッフで構成され、大きな伸びしろのある魅力的なチームだと思いました。前任地は心臓血管外科の分野では全国でもトップクラスの症例数を誇る病院で、高いレベルの心臓外科手術の十分な経験値を得ることができ、新たなチャレンジ・さらなる飛躍のため米盛病院へ赴任しました。今まで鹿児島には縁がありませんでしたが、米盛病院という縁から鹿児島に移住することとなりました。魅力的な街、自然にも満足しながら充実した日々を過ごさせていただいています。
Connecting the dots
10歳の頃からサッカーをやっていました。サッカーは基礎的なトレーニングをして、技術を磨かないと試合には出られませんし、個々人の技術力があってもチームとして機能しなければ勝てません。これは社会にも、心臓血管外科の領域にも通じるものがあると思っています。上手な選手の技術をよく観察し真似をし、習得した上でさらにオリジナリティーをだして自分のプレースタイルを作っていくことは、心臓血管外科の手術手技を習得するプロセスにも通じるものがあります。
アップル創始者のスティーブ・ジョブズの言葉に、
’connecting the dots’ というものがあります。「一見それほど関係の無い経験であったとしても、後になって繋がり大きな飛躍につながる可能性がある。どんな事も一生懸命取り組む事で思いがけない成功が得られる。」という経験談です。今こうして心臓外科医としていられることは正に今までの人生経験の集大成であると思い、日々の経験からさらなる成長につなげていければと思います。
鹿児島の豊かな自然に魅了されて
3年ほど前からロードバイクを始めて、時間を見つけてはトレーニングをして大会に出たりしています。400kmを徹夜になりますが24時間で走るという大会や標高約2,300mの富士山の5号目まで坂道を登る大会などに出場して、いずれも完走することができました。自転車は努力すれば端的に結果が出て、何より走っている間は気持ちが良いのが魅力です。鹿児島に来てからは、錦江湾を周り霧島から桜島経由で1周走りました。鹿児島は海、山、桜島と自然が豊かで、これから色々なところを走るのが楽しみです。