心臓血管外科医

山本 裕之

​心臓血管外科 主任部長

血管外科/大動脈ステントグラフトセンター 部長

​-専門分野-

​心臓血管外科

大動脈瘤・大動脈解離手術

大動脈疾患低侵襲治療・血管内治療外科

大動脈ステントグラフト治療

​-専門医等-

日本外科学会認定医/外科専門医/指導医

日本胸部外科学会認定医

心臓血管外科専門医/修練指導者

腹部ステントグラフト指導医/実施医

胸部ステントグラフト指導医/実施医

日本血管外科学会認定血管内治療医

日本組織移植学会認定医

西日本組織移植ネットワーク世話人

日本心臓血管外科手術データベース機構JCVSD-Site Visit検討委員会

1_血管治療の最後の拠り所を目指して.jpg

血管治療の最後の拠り所を目指して

限られた施設でしか受けられない大動脈血管内治療を、鹿児島で受けられるようにしたい。

身体を大きく切らない血管内治療技術は日々進歩していますが、未だ治療が叶わない場所も存在します。大きな手術しか方法がないと思われている方に、「こういう治療法もありますよ」と提案ができるよう、鹿児島で大動脈血管内治療の最後の拠り所になれたらと思っています。

のめり込む

かつては大動脈瘤や大動脈解離の手術は大変なものでした。1990年代後半にステントグラフトによる大動脈瘤治療が出てきて、短い期間で患者さんが治っていく様をみて、ビビッとこれだと感じました。当時ははんだごてを使い、ステントグラフトを手作りしていましたが、中学生の頃ラジオ作りをしていたので、その作業に抵抗はなく、むしろ楽しんでやっていました。「芸は身を助く」とはこのことでした。当時革新的な分野でしたので、ステントグラフトの改良・開発、治療成績向上の方法やステントグラフト治療の適応範囲の拡大など、興味がつきることはなく、血管内治療にどんどんのめり込んでいきました。

2_のめり込む.JPG
3_チームへの姿勢.JPG

チームへの姿勢

血管内治療を含め外科手術においては、自分一人では治療はできません。外科手術と比べてステントグラフトは直接切ったり縫ったりするわけではなく、何というかマジックハンドを使って離れたところに操作を加える様なイメージの作業が多く、必然的に自分の操作をサポートしてくれる多職種のスタッフが必要になります。そのためチームとして、あるいは自分をサポートしてくれている人たちへの気配りを大切にしていきたいと思っています。転機は国際学会の帰りに立ち寄ったネパールのパシュパティナートという寺院(世界遺産)で日本と異なる文化や生活、価値観、人の死生観を目の当たりにしたことです。自分でもなぜか分かりませんが、うまくいかない時にイライラするよりも、その場をうまくまとめてトラブルを解決した方が得策ですし、チーム内にはいろいろな人がいますから、多様性を受け入れたうえでチームを1つにまとめていく、そのためには周りに対しての気遣いが必要だと改めて思い、行動を変えるきっかけになりました。

趣味も医療も入念な準備から

天体観測が趣味で、特にハマっているのが日蝕を追いかける事です。国内外問わず息子と撮影に行っていました。妻には1度見たからもういいでしょと言われることもありますが、次の日蝕の瞬間を楽しみにしています。強い光を放つ太陽が欠け行く姿から、わずか数分間の皆既中に真っ黒になった太陽を写真撮影するためには入念な準備が必要なのですが、準備を行うという作業が医療においても役だっていると感じます。ステントグラフトでは仕事の比重が、術前の計測・プランニングが7割、術中に正確に手技を行うことが3割といわれ、術前の準備が重要視されています。入念に準備し計画通りに治療を行って患者様が元気に退院される。医療も写真撮影もどこか通じるところがあるのかもしれません。

ダイヤモンドリング.jpg
5_選択肢を増やすために.JPG

選択肢を増やすために

血管(大動脈)の治療というと、どうしても身体を切らないといけないという皆さんの認識があるので、その認識を変えていければいいなと思います。今は、大きく体を切らなければ治療が難しい部位にも使えるような、特殊なステントグラフトを作り、治療を行う準備を進めています。新しい技術や新しい知識に対して情報収集を怠らないことが大切です。患者さんやその家族の治療に関するニーズは多種多様です。治療の選択肢を増やすことができれば、そのニーズに沿った治療を提示、提供することが可能となります。その上で患者さんやご家族と一緒になってベストな治療、より良い治療に繋がるよう考えていきたいです。